森見登美彦『恋文の技術』

　ハイブロウなんだかローブロウなんだか分かんないが、かなり面白い。
　私的には『四畳半神話体系』に匹敵する傑作だと思うが、一般的な文芸作品としてはちょっと評価に苦しむのも事実。
　手紙を時系列で並び変えれば意外に美しいストーリーの流れも見えてくるが、まぁそれはそれとして奇書であることは確か。　このへん四畳半に通じるところもあり、やっぱもりみーはこういう変な仕掛けこらしてニヤニヤしてるときが一番輝いてるなぁとしみじみ思う。

　内容に関しては『太陽の塔』に近いなんともアイタタな感じでたいへんじめじめしているので、じめじめした野郎はこれを手にしてよりじめじめすればよろしい。
　そしていつものようにクライマックスで裏切られて死ぬ。
　からっとしやがって。
　死ねばいいのに。

　あとキャラ萌えは相変わらず。
　結婚したんだから自重すればいいのに、ほんともりみーはアホだな。